第18回 #図書館総合展 の個人的なふりかえり

方方には「打ち合わせに行ってきます」とか「5分だけ喋ってきます」と言いふらしていたくらいで、図書館総合展に参加してきた!とはあんまし言えないような気分ではありますが、今年も行ってきました。

10年間で7回目の参加になります(うち3回は依頼出張、1回はポスター参加、1回は別のイベントのついで)。これまで一度も自腹を切ったことがないという意味では恵まれているなあとは思うのですが、年々自由時間が減り、参加しているという実感がてのひらに残らなくなってきているという想いも正直なところあります。いろんなひととこの手のことについて話していると「プライベートで3日間フル参加するのがいちばんだよね」という意見で一致を見たりする……。

というわけでそれほど書くこともないのですが、過去の自分のふりかえりを読んでみたら当時のことをすっかり忘れててそれなりに面白がれたので、今年も簡単にメモを残しておこうかなと思います。

しかし、いっときに比べるとツイート減りましたよね……。あのころが異様だったのかもしれないけど。

秋と冬の境目のようなこの時期、だいたい毎年何を着ていったらいいか迷うわけですが、今年はEELのサクラコート+シャツ数種+ストールにしました。NDLブースで「青いっすね」と言われた。去年はユニクロルメールの紺シャツ+黒ベロアジャケットで登壇した記憶があるけど、今年はユニクロルメールの同じ型の白シャツ+黄モヘアカーディガンでちょうどいい感じ(体温が)でした。今年はパンツもユニクロ黒スキニーなので、安い男ですね……。

前日:移動日

11/7。景気づけに(?)毎年恒例の観覧車に乗り、赤レンガ倉庫のchano-maで晩ごはん。てきとーに選んだお店でしたが、ベッドで寝転がってまったりごはんを食べるというなんともふしぎな経験ができた。料理が見づらいくらい照明が暗く、ガンガンガンガン音楽が鳴っている(自分の席のとなりにはライブハウスかっていうようなでかいスピーカーがあった)というような環境だったけど、妙に落ち着いてしまった理由のすべてはベッドの存在にあるんだろう……。

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1日目:関内

  • 10時〜17時:メタデータタスクフォース打ち合わせ@さくらWORKS
  • 18時〜20時半:メタデータ☆ナイト@さくらWORKS

今年は「#図書館総合展行きません」という謎のハッシュタグが散見されましたが(もう「極私的・図書館総合展」という気力もなかったのでしょうか)、私もこの日は一歩たりともパシフィコ横浜に立ち寄ってません。朝から晩まで関内でひたすらメタデータについて議論をしていました。

日中は内輪の打合わせ。こんなのあるんだー、と勉強になったのはこれ。

Thus, for example, the following are among the expected values of @xml:lang for Japanese, incorporating both a language (“ ja ”) and a script type:

  • xml:lang="ja-Hira" (Japanese written in Hiragana)
  • xml:lang="ja-Hrkt" (Japanese written in Hiragana + Katakana)
  • xml:lang="ja-Jpan" (Japanese written in Han + Hiragana + Katakana)
  • xml:lang="ja-Hani" (Japanese written in Kanji (Hanzi, Hanja, Han))
  • xml:lang="ja-Kana" (Japanese written in Katakana)

http://www.iso.org/schema/isosts/v1.0/doc/n-cvd0.html

夜はメタデータ☆ナイトという公開イベント。メタデータやシステムに一家言持っている方々や、システムベンダーの方々など、濃ゆいメンツが30数名集まってくださいました。主催者側が「こんなに盛り上がるとは思わなかった」とこぼし合うくらいに、盛り上がって、しまった。タスクフォースメンバーが代わる代わるショートプレゼンをしていく合間に大向先生がコメンタリー的なトークを挟む、という構成がなんかおもろかった。

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なお、メタデータ☆ナイトでお出しした焼き菓子はこちらガトー・ド・ボワイヤージュのものでした。さくらWORKSから徒歩数分。シュークリームが名物らしいんですが、生菓子は出しづらい環境だったのでお昼にひとりで食べました……。

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2日目

  • 10時半〜11時半:展示ブース、ポスターセッション
  • 11時半〜13時:メタデータタスクフォース打ち合わせ
  • 13時〜17時:フォーラム運営補助・登壇など

この日は朝からパシフィコ横浜へ。

ちょっと出遅れたのでフォーラムは見送ってそのまま展示会場入りすることにした。ぐるっとまわっていろんなひとと話し込んだりすれ違ったり。kumoriのゆきのちゃんに会えるのは一年に一度のこのタイミングしかなくなってしまっている。

ARGブースで「ARGで働くこと~岡本じゃなきゃだめなんですか!?」というトークセッションにちらっと座り、下吹越さん・岡崎さんを(初めて)見る。なんかものすごいGoogleカレンダーを見せつけられたような気がする。

岡野先生@皇學館大学に挨拶に寄ったら「伊勢うどんは店で食べるものである」とオリジナルの割り箸を手渡された……これを持って伊勢に来いということらしい。数年前、この会場で伊勢うどんを売り歩いていたひとの思想的転向を見た思い。

今井先生@白百合女子大学チョークアートのひとになってた。

職場のひとたちもポスターを出していた。

カーリルのブースに寄ったらフォーラム中でだれもいなかった……。

そういえば去年のふりかえりエントリで「お昼に展示ブース会場で食べたホットドッグ(350円)にはほんとがっかりしたよ……あかんよあれ……。」と書いてたけど、今年はなかなかおいしそうだった。勝烈庵のカツサンドもおすすめされた。まあ、残念ながら絶賛食欲なしなので全部スルーなんだけど。
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昼休みはまたも打ち合わせ。メタデータ☆ナイトのフォローアップをして、今後の進め方についてディスカッション。細かいことはともかく、シン・ゴジラを引き合いにした「ビジョンは下が作るものだ」という話が面白すぎた。

午後はフォーラム(の前に某社の営業さんとビジネストークを)。

フォーラムひとつめは、機関リポジトリ業界で最近話題のRichard Poynderのブログをネタにしたもの。生Poynderが見れる!とずっと楽しみにしていたのに来なかったんだw 佐藤義則先生によるまとめプレゼンがすばらしかったのであとで復習したい。JiscのNeil Jacobsさんのプレゼンの逐次通訳を *突如* 任された神戸大のHさんは、大役ほんとにおつかれさまでした……かっこよかった。自分のなかでは今回の総合展のMVPに決まっている。次のフォーラムの仕込みとかもあり、途中で抜ける。

フォーラムふたつめ。1450スタートというイレギュラーな構成。

第一部はPoynderブログも受けつつ今後の機関リポジトリの在り方を考えていこうというもの。記録担当だったので逐次メモを取っていました。時間も短かったし、「これから」に関する議論も不十分で不満が残る感じではある(前のフォーラムと合体させられると良かったのかな……)。個人的には「機関リポジトリの意義」「機関リポジトリによるグリーンOAの意義」「グリーンOAの意義」をきちんと区別して、現実的な議論をしていくことが大切だと思っています。グリーンOAに資することができなけれれば機関リポジトリに意味はないなんて(特にこの国では)みんな思ってなかったと思うし、劣等感を感じることなく、自信を持って進めていけばいいだけ、という気がします。大切なのは機関リポジトリよりもCRIS、という自分の考えはここ数年変わってません。

第二部は5分 x 11連発のマシンガンプレゼン(私も報告)。よく時間ぴったりに収まったよ……とまたしても主催者側で言い合う。上原さん@沖縄科学技術大学院大学(OIST)の事例報告がとても面白かったので今度詳しく教えてもらおっと。

終わったらそそくさと羽田向かい。大学図書館員的には3日目のこれを聞かずに帰るのはナシだろうと思うんですけどね……。

その他

↑関さん@ブレインテックに「(私は)絶対に撮らないと思うけど」って先に言われてしまったから、じつは最近そういうの撮ってみてもいいって気分なんだって言いだせなかった……。


雑感

図書館総合展から受け取るものが(相対的に)少なくなってきた、というのは、ある意味では、「与える側」にまわってきたというか、そういう年齢になってきた、というのもあるのかもしれないなぁ。

自分のなかでは図書館総合展というのは落ち着いて勉強する場ではなくて、お祭り騒ぎのなかでここでしか得られない刺激をつかみとる場、ということになっている。言い換えれば、なにかをできるようになる場ではなく、自分がなにをしたいのかに気づく場、というか。そういう意味で、ちょっとやる気や元気をなくしてしまっている若手にこそ(旅費を与えて)参加させてあげてほしいと思う。2〜3年目くらいのときに、みんな一度くらい行けるといいよね……。もちろん職場という日常に戻っていけばその刺激は薄れていくのだけど、一度上がった目線やテンションは日常のなかでもきっと取り戻せるはずで。そのときの自分の感情を思い出させてくれるような「おみやげ」をなにか持ち帰れるといいよね、って意味で、最近の総合展のグッズ攻めはいいと思います。

そんなこんなで、自分たちの主催する場に来てくださった方に対して良い刺激を与えられてるか、勢いや心意気を見せつけられているか、ということをこれからはちゃんと意識していかなきゃなと思ったりした。

# あ、今年もコーヒーの大学院に行きそびれたわ……。

過去のエントリ

ラトビア国立図書館に行ってきた

# 単なる写真ブログです。

9月にバルト三国を旅してきました(福岡→ヘルシンキ→ヴィリニュス→リガ→タリン→ヘルシンキ→福岡)。

散歩と雑貨屋めぐりとバス越境が目的だったので図書館にはほとんど行かなかったけれど、リガにあるラトビア国立図書館(National Library of Latvia / Latvijas Nacionālā bibliotēka)はなかなかかっこよかった。リトアニア国立図書館は場所を把握していなかったので近くを通りすぎただけで終わり(なぜかちょうどCA-Rに)、エストニア国立図書館は初日深夜に写真だけ撮ってきただけにとどまった、という。

遠景

青くライトアップされた橋の向こう側に見える三角形っぽいのがそれ。夜景は科学アカデミーの展望台から撮影したもの(あまりに深夜だったので他に客がおらず、受付のおっちゃんたちを手間取らせた)。

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こちらはダウガヴァ川べりを散歩していたときの一枚。対岸の旧市街側からきれいに見えるように意識してるんだ、ということが分かる。この時点ではあれが図書館だということは分かってなかった。

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角度によっては王冠っぽい感じにも見える。

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アクセス

リガ駅/バスステーションの近くにあるセントラルマーケットの前から4番トラムに乗車。

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とろとろ走って、10分もかからなかったかな。図書館前が駅になっているから分かりやすい。

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外観

まずは図書館の北側から反時計周りにぐるっと一周してみる。四面とも表情が異なっていて面白い。

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エントランス

ダン。明るい。吹き抜け。なんとなく自分が舐めてたことに気づかされたのはこの瞬間だった。

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1F展示

ふらっと入れそうだったのでまずは特設展示を。書物でたどるラトビアの歴史、みたいな。文字だけじゃなく、音や香りも使って、楽しい感じ。

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なにより赤と黒と白がかっこいいよ。

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いろいろ話していたら、係員の女性に「試してみw」とカーテンの奥に連れこまれた。巨大な書籍はページごとにいろいろな物語が紹介してあって、ページをめくるとそれにあわせて目の前の映像がさーっと変わる。

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国立図書館が観光地として位置付けられていること、その国のことをよう知らん異邦人に対して短時間でレクしてくれる場を用意していること、大切だなあと改めて思った。

入館

クロークに上着、コインロッカーに鞄を預けて。カウンターで「旅行者やけど入れる?」って聞いたら、ゲスト用の入館カードを貸してもらえた。paperwork皆無。館内撮影はOKと言われた。

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手荷物はプラスティック製の鞄に入れる。

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館内

エレベーターで最上階に上がったらそこは子ども用のreading roomだった。しかしいたのはカップル一組のみ。カウンターに置いてあったこの時計がなかなかかわいくて……各フロアのカウンターで見かけた。

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お手製っぽい感じのポスターだけど、すてき。

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各フロア、基本的にreading roomはサイレントエリアとしてゾーニングされている。

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1Fからも目を引いたこの書架。古めの資料が置いてあるんだろう。ここの資料が利用できるかどうかは質問してない。

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あるreading roomからの眺め。ずるい。そもそも、あの窓から見える景色はどんなんだろうというのが知りたいがためにわざわざここまで足を延ばすことにしたんだった。夜はもっとすてきなんだろうなあ。

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各フロア、reading roomの外にも座席が用意されていた。ソファのファブリックは階によって色とりどり。

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展示

オープンスペースのあちこちで展示をやっていた。ゾーニングが基本だから、映像や音声を流したり、けっこう自由な感じで。

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経緯はよく分からないんだけどアメリカ関係資料の部屋もあって、ちょうど15周年ということで9.11テロの写真展をしていた。クッションでリラックスしまくってるこの感じが好き。これが許される空気が、日本でも欲しい。

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手書き! なんともガーリーな。ずるい。これがナショナルライブラリーの展示なのか。。

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H28年度大学図書館職員短期研修(京都会場)

# 単なる反省文です。

http://www.nii.ac.jp/hrd/ja/librarian/h28/index.html

若手の大学図書館職員を対象とした研修の、「学術コミュニケーションの動向」というコマ(75分)で講師を依頼され、おはなししてきました。風邪っぴきなこともあり、なんかもうぐだぐだでしたが。。ランチタイム前の講義だったので、時間内に収まったのにはほっとしました。

5月中旬に講師依頼をいただいて(そのころは精神的に余裕があったので自分が研修苦手なのを忘れて気軽に引き受けてしまった)、9/9に講義資料提出〆でした。開催一月前に提出というのはかなり早くて戸惑うのですが、受講生に資料PDFを事前配布していたそうです(さっきまで知りませんでした)。

講義資料はこんな感じです。

資料作成に向き合い始めたのは海外出張報告書が完成した後なので、7月中旬頃でした。悩みが尽きず、8月の土日はほぼすべてこれに費やした……というくらい時間がかかりました。初期構想ではマニアックにメタデータの話だけしようかと考えていたくらいだったのに、最終的にはその話はいっさい出てこなくなった、というくらいの迷走っぷり。二転三転したあげく、結局はオープンアクセスのはなしに絞ることにして(研究データの話はせず)、いまオープンアクセスのことを勉強するならこれくらいが基本かなあという意味で「A Primer」というタイトルでまとめました。

準備をしていて悩ましかったのは、

  • 対象テーマの絞り込み。学術コミュニケーションといっても広いし、薄っぺらい話にしないためにどこまで絞るか。かといって絞りすぎるとマニアックになる。
  • トピックがとっちらかりがちな総論的講義において、受講生に対してどのようなメッセージを作れるのか。
  • 受講生は図書館経験2〜10年目と幅があり、興味や基礎知識もまちまち。レベルをどのくらいに設定したらいいのか。広い層に関心を持ってもらうためにはどういう構成にしたらいいのか。→構成についてはQ&Aという形式にしてみたけども。
  • 昨年度までの講師とは異なり自分のような若手の実務者に依頼されたこと、に自分なりの答えを見つける。
  • 他の講義との内容の棲み分け。→特に、尾城さんの講義に喰われてしまわないように差別化できるか。

という点。

正直、どの悩みもうまく処理できたという気がしてないです。そもそも研修って何のためにやるんだっけ、という暗い穴に落ちていた時期もありました。

反省点としては、

  • 勢いがない。やっぱり自信がないんだなあ。オープンアクセスについては全体的に「こうすればうまくいく!」と自信を持てているわけではないから、どうしても話し方が不安定になってしまう。
  • 75分という途中で休憩が入るわけではないけどそこそこ長いという尺は未体験だった。やっぱり途中で(自分が)飽きてくるようなので、適当なところで気分転換をしたほうが良さそう。
  • 余計な参考情報は喋らないようにしようと決めていたのに、結局喋ってしまっている。和田万吉の話をしなかったのはえらいぞ自分。
  • 単語や語尾の選び方がてきとーすぎた。頭が動いてない証拠。
  • 前のコマの森嶋さん@慶應のスライドと比べるとちっとも遊びがない。心に余裕がない証拠。

など。

なお、質疑応答では

  • 図書館/リポジトリで出版を行うことによる可能性は?
  • そもそもジャーナルって必要なのか?
  • CHORUSで出版社が著者最終稿を公開することのビジネス上のメリットは?

などの質問を受けました。どれも答えづらい、難しいところをついてきますね……。どれもクリアに返すことができず。

終了後は講師2人とプロ受講生3人とで進々堂でカレー(パンセット)を食べました。

総じて、自分がこのくらいの広さの話を、自信を持って、かつ、心から楽しんで、話せるようなレベルに達していない、ということを思い知って、打ちひしがれる、という経験になりました。自分はまだまだ(?)テクニカルな細部をちまちまと攻めているほうが楽しい人間なんだなあ。この点は自分でも認識していて、2016年の課題のひとつに挙げていたところだったので、それに挑むという経験ができたのは、まあ、良かったのかもしれませんが。

また同じ講義を12月に東京会場でしてこなくてはなりません。ひとまずは、京都会場関係者の皆さまに御礼を。ありがとうございました。

# しかし、森嶋さんが、ふわっとしたオーラをまといつつも、随所で小ネタを挟んで笑いを取りにくるという芸風で、大変感銘を受けました。スライドが公開されないのがかえすがえすも残念ではあります。

【追記】初日に講義をされた井上昌彦さん@関学は「全員に10届けるつもりはない。分かる人に100与えたい」というようなことを言われたらしく。私はつい欲張って「みんなに、みんなに」となってしまいがちなんですが、このくらい割り切ってターゲットを狭めるほうが、その周辺のひとにもじわっと広がっていき、結果的に多くのひとに良いものを残せるのかもしれないなあと考えさせられました。結局、ターゲット x メッセージなんですよね。そのどちらか一方でもfixできないとだめなものになる……。それがうまくできたプレゼン/文章はそれなりに手応えが残るし、今回は最後まで自信が持てずに終わった、という。

【追記その2】これが egamiday 流らしい。

プリンストン大学図書館の新オンラインカタログのレビュー

米国のプリンストン大学図書館がオンラインカタログのシステムをリニューアルした。
http://dailyprincetonian.com/news/2016/09/u-library-introduces-new-catalog/

20年使っていた旧システムからの乗り換えで、オープンソースのBlacklightを採用している。18か月の開発期間を経てこの春にベータリリースしていたものを、新学期の始まるちょっと前というタイミングで正式にリリース。

以下、気になった点をいくつかメモしていく。

1. 検索画面

ウェブサイトの検索窓はこうなっている。プレースホルダには「Search for books, journals, videos, and more」とあり、articleのようなものは対象外にしたほんとに“catalog”であることが感じられる。
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詳細検索画面。一部の項目で検索値+ヒット件数が表示されるのに関心した。
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2. 検索結果一覧画面

https://pulsearch.princeton.edu/catalog?utf8=%E2%9C%93&search_field=title&q=topology

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ファセット

ファセットの項目自体はそう目新しいものではないけど、次のふたつにはおっ!と思った。

新着日をさまざまな期間で絞り込める。

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ファセットのなかで階層を実現している。

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配架場所地図

Stackmapというクラウドサービスを利用しているようだ。library, location, callnoという3つのレベルの情報を渡して、地図上の細かい場所までマークしている。これはいいね。

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http://princeton.stackmap.com/view/?callno=QA611.E53&location=sci&library=Lewis%20Library

3. 詳細画面

図書

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Subjectのbrowseを押すとよくあるブラウジング画面。
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staff viewを押すとMARCフォーマットで表示される。これもよくある機能だけど、リプレイスしても残すくらい職員からのニーズがあるってことなんだなあと。
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Send toはこんな感じ。Mendeleyはないんだな。
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雑誌

Other versionsとして電子版へのリンクあり。
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4. ツアー

トップページの「Take a tour of the New Catalog interface!」を押すとツアーが始まる。一般のウェブサービスではよくあるけど、図書館界隈で見かけるのは初めてかも。
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検索画面(3ステップ)→検索結果一覧画面(7ステップ)→詳細画面(7ステップ)と続いていく。
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Blacklightのデフォルト機能なんだろうか? 使ってるライブラリはたぶんIntro.js

Pure→researchmap連携

Elsevierのニュースレターからの引用だけど、他にニュースリリースが見当たらなかったのでメモしておく。

Pure 5.6 releaseにて、researchmap-Pureの連携機能がリリースされました。researchmap IDをエルゼビアが提供する研究者プロファイリングツールPureに登録すると、Pureに自動蓄積している自機関の名寄せ済み研究業績データをresearchmapへ送信することが可能になります。PureはORCIDへの連携も可能です。
http://jp.elsevier.com/newsletters/ag_eri/2016vol4

Pureの国内導入機関は以下のリストによると5大学。でも他にもあるはず。
https://www.elsevier.com/solutions/pure/who-uses-pure/clients