中国国家図書館が図書館員向けポータルサイト「図書館界」で業界ニュースを紹介

中国国家図書館の「図書館界

中国国家図書館(National Library of China:NLC)のウェブサイトに『图书馆界』(図書館界)というページがあります.(URLの“newtsgj”はnew + tsgjで,後者は図書館界ピンイン表記「tu2 shu1 guan3 jie4」によります.とぅーしゅーくわぁんちぇ?)

調べていないのでいつ公開されたものかは分かりませんがー.これは図書館員向けの情報ポータルという感じのページで,目録やドキュメントデリバリーなど各種の全国的センター(中心)へのリンクのほか,イベント報告,中国国家図書館の刊行物,国内図書館関係の雑誌,国内の公共・研究・大学図書館,図書館関係の団体の一覧のようなさまざまな情報がまとめられています.まぁ,リンク集という感じ.

そのなかに,中国国内を中心とした図書館業界のニュースを紹介する「业界动态」(直訳すると「業界ニュース」)というコンテンツがあります.サイトの上部にある,ノート風のデザインがあしらわれている部分ですね.更新ペースは1週間に1度くらい.毎回10〜20本程度の記事が投稿されているようです.更新履歴をたどってみると最初の記事は2007年1月5日付けのものでした.

例えば,2012年4月23日には「武汉5所高校发起“图书馆联盟”向社会开放藏书」というタイトルで,武漢大学などによる武漢図書館連盟というのが立ち上がり蔵書の一般開放が検討されてるというニュースが紹介されています.どうも各記事はイチから書かれているのではなくて新聞などからまるっとコピペしてきているように見えます(未確認).情報ソースは「来源」として示されていますが.

先日NLCに出張された方に伺ったところによるとこのページは数字資源部の職員1名で担当しているとか.っていうか2009年に自分らが訪問したときにも話を聞いた気がするんですが…….そして当時数字資源部のトップだった王志庚(おうしこう:Wang Zhigeng)さんは現在中国国家図書館少年児童館の館長らしい.

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上海図書館の「中国図書館だより」

関連して似たようなネタをもうひとつ.

中国最大である中国国家図書館に次いで規模が大きいのは上海市にある上海図書館(Shanghai Library)という公共図書館です.(余談ですが,館内に本屋さんが入ってたりします.)

日本図書館研究会が『国際図書館学セミナー』を開催するなど日本と上海市の関係は深い……のが理由かどうかは分かりませんが,上海図書館のウェブサイトには日本語版が用意されており,その中には「中国図書館だより」という中国国内のニュースを日本語で紹介してくれるありがたいコンテンツがあったりします.

上述した武漢図書館連盟の件も「武漢図書館連盟が成立、大学等図書館の一般開放を提案」として紹介されていますね.

こういうのありがたいなぁ.ほんとに.

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