ソーシャルな文献管理ツールMendeleyでグループを作ったりして遊ぶ

ちょっと訳あってここのところ文献管理ツールの“Mendeley”(めんでれー)を本格的に使い始めています.

僕は id:keitabando さんの追っかけをしているのでMendeleyのことは「#Mendeley - "A Last.fm for Research" にハマってます - @keitabando のブログ」というエントリを読んだ2年以上前から知っていてわりかし早めにアカウントも作っていたのですが,なにぶんふだん本格的に文献管理をしないということもあって(Evernote+はてブで十分だし,そもそも僕はPapers派なのでした)いまいちちゃんと使っていませんでした.

それはともかくいい機会なので色々触ってます.ちょうど最近CiNii Articles & CiNii BooksがMendeleyへのダイレクトエクスポートに対応したのも良いタイミングでした(複数書誌の一括エクスポートができるといいんだけど).

大学図書館業界で文献管理ツールというとなんといってもEndNote (Web)とRefWorksが二大巨頭[*1].それらとMendeleyのもっとも大きな違いは何かっていうとそのソーシャル機能でしょう.ひとりで黙々と文献を探して整理することもできますが,(知らない人も含めて)みんなで協力してというのが可能になっています[*2].そんなソーシャル機能のひとつであろう「グループ」というのを試すために1つ作ってみました.

Discovery Services (Japan) | Mendeley Group

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これからどういじっていくか分かりませんが,オープンにはしてあるので興味のある方がいらっしゃったらどうぞ.グループに入ったみんなで関連文献をいっしょに登録していこー!ってだけのものです.

最近話題のMendeley機関版[*3]のゆくえとか,そもそも大学図書館が文献管理ツールを契約することの意義[*4]とか,あるいは文献管理ツールを通して利用者に対して提供できる価値とか,気になることや考えなくちゃいけないことはあるのですが,それはまたそのうち.


*1:種々の文献管理ツールを比較した表Wikipedia英語版にあります.

*2:特に,Mendeleyというグローバルな空間に存在する書誌をローカル(自分のライブラリー)に登録してっていうのはNACSIS-CATみたいでメンタリティとしてはわりと受け入れやすいと感じています.

*3:2011年12月のSPARC Japanセミナーでうっすら話が出て,その後2012年1月にスエッツからプレスリリース,5月には東京でワークショップが開かれて(c.f., id:keitabando さんによる詳細なレポートあほみたいにかっこいいプレゼン),早くも農水さんはトライアルを始めています.

*4:例えば,所属機関がころころ変わり得る研究者にとっては,機関が提供するサポートにべったり依存してしまうと,安定した研究環境を構築できないのではないか.現に自分はいまEndNote WebもRefWorksも使えなくなってしまっています.お引越しするのも面倒だし,だったらずっとMendeleyでいいという考え方も.