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大学図書館向け電子書籍サービスにおける和書数学書の状況

電子書籍

マクロな状況も見飽きたので、自分に身近なフィールドについて調べてみることにした。


自分が学部生のころによく読んでいた数学書(特にシリーズ)っていまだにちっとも電子書籍化されてないんだなあ、と。

多様体の基礎 (基礎数学5)

多様体の基礎 (基礎数学5)

多様体入門 (数学選書 (5))

多様体入門 (数学選書 (5))

集合と位相 (数学シリーズ)

集合と位相 (数学シリーズ)

代数多様体論 (共立講座 21世紀の数学)

代数多様体論 (共立講座 21世紀の数学)

岩波講座 現代数学の基礎〈8〉〔27〕 Morse理論の基礎/〔31〕 力学系 1

岩波講座 現代数学の基礎〈8〉〔27〕 Morse理論の基礎/〔31〕 力学系 1

講座 数学の考え方〈22〉3次元の幾何学

講座 数学の考え方〈22〉3次元の幾何学

# 岩波は古いほうの基礎数学シリーズ(薄っぺらい分冊のやつ)ひとそろえを百万遍の古本屋で2万円くらいで買った。

数学書って、基本的にはこのテーマならこれというのを決めてじっくり読むことが多いと思うんだけど(多様体論なら松本幸夫→松島与三とか)、証明を読んでいてこの書き方だとちょっと理解できないなあと詰まってしまったときに、セカンドオピニオン的に類書を参考にすることがよくあった(元の本の誤字脱字だったりすることもままある)。詰まるのはたいてい夜中だったりする。そういうとき、家からさくっと電子書籍を利用できたら便利だよなあ、というのは(もはや数学書を読むことなどなくなった)今でもリアルに想像できる。

数学という分野はふつーに学部4年間勉強しているとやっと20世紀半ばすぎの内容に到達するというくらいなので、古い本でも結構役に立つ(古さが読みづらさになることはあるけど)。むかしの名著が復刊されることも多い(田村一郎の『微分位相幾何学』はたしか買いましたよ……1万円近くしたけど)。新しい本が電子化しづらいのなら、古い本でも手がけてくれるといいのでは。まあ、洋書はわんさか電子化されているわけだし、学部のうちから洋書に慣れちゃえばいいという考え方もある。。



以下、自分とこでも結構契約している大学図書館向けの日本語電子書籍サービスツートップにおける状況を調べてみた。(応用数学は外してます。。)

1. Maruzen eBook Library

https://elib.maruzen.co.jp/
http://kw.maruzen.co.jp/ln/ebl/ebl_01.html

全冊リストはなさそうなので、サービスにログインして 分野「理工学 > 数学」で絞って、あとは目視チェック。

シリーズものでも一部だけ電子化されている状況のようだった。岩波のだけ、うちでも契約済みだった。


2. EBSCOhost eBook Collection

和書全タイトルリスト(2015/06/10版、全7671タイトル)が公開されている。
http://www.kinokuniya.co.jp/03f/oclc/netlibrary/contents/nl_washo_list.xls

分野=数学で絞ると307タイトル。あとはそれを目視チェック。

価格も含まれているので、

  • 価格平均値:7981円
  • 価格中央値:7560円
  • 価格最低値:2209円
  • 価格最大値:55813円(統計解析ハンドブック、紙版は税込16480円?)

というデータも取れる。紙版との価格比は調べてないけど、だいたい2~3倍ってところかな。

出版社別点数は以下のとおり。

出版社 点数
朝倉書店 65
実教出版 54
オーム社 54
東京電機大学出版局 53
紀伊國屋書店 43
岩波書店 30
コロナ社 5
共立出版 2
アルク 1

独断と偏見で選んだ主なシリーズものはこんな感じ(裏取ってないけど、たぶん全巻電子化済み?)。

出版社 シリーズ名 点数
朝倉書店 シリーズ<数学の世界> 12
朝倉書店 基礎数学シリーズ 23
朝倉書店 数学30講シリーズ 10
紀伊國屋書店 紀伊國屋数学叢書 33
朝倉書店 すうがくの風景 8
実教出版 新版数学シリーズ 11
岩波書店 代数学への入門 16

NetLibrary時代からの蓄積があるだけあって、Maruzen eBook Libraryより進んでいる。まさかの紀伊國屋数学叢書とかちょっとびびった。