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Elsevier APAC eBook Forum 2015 in Brisbane, Australia

# 来年打診された方の参考になれば、というだけのエントリです。

7月10日・11日にオーストラリアのブリスベンで開催されたElsevier APAC eBook Forumというイベントに参加してきました。Invited speakerとしての参加になります(なので費用は先方負担)。

日本からの同行者は筑波大学小泉先生とエルゼビアの鈴木さん(おふたりには本当にお世話になっておりました!)。個人的には2009年の上海・北京以来2回目の海外出張で、英語圏への旅行が初めてというような体たらくです。航空券・ビザ・ホテルの手配はすべて先方で処理してもらえましたし、現地でもいろいろお任せで、旅行的にはとても楽ちんでした。

プレゼンの準備はかなりしんどかったですが、終わってから振り返ればあんな内容でもちょっとはお伝えした甲斐があったかなと思えています。もっと胸を張ってプレゼンできるような成果を出せるようにならねば、とは思いますが。

概要

約1日半のイベント。参加者は、オーストラリア・ニュージーランドを中心に、米国、日本、韓国などからの図書館員およびエルゼビア社員で、計40人弱ってとこでしょうか(ディナーしかいなかったひととかいたような……)。
http://asia.elsevier.com/elsevierdnn/ElsevierAPACeBooksForum2014/ElsevierAPACeBooksForum2015/tabid/2744/Default.aspx

過去のフォーラムについてはこちらを:

経緯

自分に声がかかった理由のひとつは、去年の参加者である池内さんのレポート(上記)にいろいろコメントしたことらしい、です。ブログを書くと講演頼まれたり原稿頼まれたり招待されたりいろいろなことが起きますね……。

  • 5/11:GW明けにエルゼビアさんから「行きません?」と電話がかかってくる
  • 行くだけならいいけどなにかプレゼンできるようなことがあるのか……? と情報収集を始める。
  • 5/20:いまいち自信がないけどお待たせしすぎるのもあかんしと見切りでお返事
  • ひたすら準備(NIIオープンフォーラムの準備と並行で)
  • 6/3:エルゼビア・鈴木さんと打ち合わせ
  • 6/24:プレゼン仮〆、小泉先生と内容調整
  • 6/29:エルゼビア・鈴木さんと打ち合わせ

という感じでした。

そもそも海外で英語でプレゼンしてもいいなんていう図書館員は多くはないそうで(そりゃそうだ)、人選が大変らしいです。

プレゼン(質疑込み45分)

旅行的な準備は完全にお任せで、自分がやったのはパスポートを確認して、地球の歩き方Kindleバラ売り版)を買ったことくらい。プレゼン作成に集中できたのは大変ありがたかったです。

それでもかなり苦しむはめに……。だいたい電子書籍っていってもご存知のとおり日本の取り組みとして特に胸張って話すようなことなんてないわけですよ(大きなネタでは慶應の電子学術書プロジェクトがあるけど、他人のふんどしだし、そもそも去年池内さんが報告済みだし)。正直、自分とこだってたいしたことやってるわけでもないんだし。英語で話すことなんてどうでもいいけど(どうせネイティブのようには話せないんだし)、ろくに話すことがないのが辛い。ほんと辛い。と毎日思っていた。

エルゼビアの高橋さんからは

九州大学がebookに関して何か特別な取り組みをしているのであれば、それはそれで理想的かもしれませんが、必須の要素ではないと思います。九大図書館のホームページ(サービス)は、ディスカバリーを中心に置いて設計していると思います。
たとえば、1) そのコンセプト、2) その中のbook / ebookの扱いや見つけやすくするための工夫、3) 林さんが考える問題点、4) 出版社やベンダーへの希望などを話してもらえるといいのかなと考えています。
私が林さんを推薦した理由は、1) 以前からディスカバリーメタデータについて熱心に研究されていて、コレクション構築の話が中心になりがちなbook / ebookのフォーラムに別の視点を与えてくれると期待していること、2) フォーラムや他の参加者から多くのことを学んでもらえるにちがいないこと、3) 帰国してから何らかの形で報告書を書いていただき、日本の他の図書館員に情報を共有していただけるはずであること、などです。

というサジェスチョンをいただきました(最終的にはほとんどこのとおりの構成にした)。

たしかに電子書籍っていうとcollection development、特にPDAのはなしが多いんですよね。そういうわけでたしかにdiscoverabilityについての話が聞けるんだったら自分だって聞きたいし、改めて国内外の文献をサーベイしてみたけどぱきっとしたソリューションがあるわけでもなさそうだ、ってことはまあ何を話したって許されるだろう、という状況理解が最終的に自分の背中を押したと思います。あとは他係で電子書籍の利用状況の調査をしていてくれたことも大きかった。

電子書籍のdiscoverabilityというテーマに真正面から取り組んでいてそれっぽいフレームワークを与えてくれたのはこの文献くらいだった、かな。
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0098791313000579

タイミング的にベースにすることはできなかったけど、NISOのウェビナーの資料も参考にした。
http://www.niso.org/news/events/2015/virtual_conferences/eternal_ebooks/

まあ、難しいです、電子書籍。できてないことをひとつひとつ確認していく過程で自分はずいぶんさぼっているなあ、と思い知らされました(ProQuestの360 MARC Updatesで日本語まわりの本文言語コードがいまいちな状況を改善してもらったりとか、地味なことはやってるんですが)。今後の課題がちょっと整理できたからよしとしようかという感じ。

で、最終的にはこんなふうになりました。メッセージが強いわりにロジックはかなり甘いです。あいまいなニュアンスは伝えることができないだろうという判断から、ところどころ強調して、メリハリを付けているせいもあります。読み原稿も載せています。

あんまりうまくいってないんですよ、というプレゼンをするのは一般的に嫌なもんだと思いますが、それをわざわざ海外に出かけて英語でおこなうというのはさらに嫌なもので、ほんと気が重たかった……。でもなんとか終わったあと、少なくないひとたちから過剰とも言えるくらいにポジティブなコメントをいただいたりして、頑張ってやった甲斐があったのかな、とほっとしました。こういう「かっこ悪さ」も日本の現状として、しっかり伝えていく必要があるのかなと思ったりしました。やー、でも胸を張れるプレゼンのほうがいいですけどねえ、やっぱり。

準備中、ちょうど島根大学の矢田さんの取り組み(その1, その2)を見かけて、いまはこういうのが必要なのかもなあと共感したので最後に紹介させていただきました。感謝。

旅程(2015/7/7-12)

ブリスベン東海岸中部(ゴールドコーストの近く)。時差は+1時間。ちょうど8月から成田からの直行便が復活するという微妙なタイミングだった。

秋?冬?という気候に惑い、いろいろ服を持っていったんですが、結局はTシャツ+長袖パーカーくらいでちょうどいい感じでした。夜もちょっと肌寒いかな、くらいで済んだ。紫外線対策で日本では使わない日焼け止めを塗ったものの、くちびるへのダメージは相当らしく1時間に1回くらいリップを塗らないと乾燥がひどかった。サングラスは似合わないだろうし買いませんでした。

7/7(tue):移動日

7/8(wed):移動日

  • 0905シドニー→1035ブリスベンカンタス
  • 昼過ぎにホテル(Urban Brisbane)着
  • トランクの鍵がない……。→結局トランクを破壊してもらう
  • 午後は小泉先生と観光:Queensland University of Technology(Kelvin Groveキャンパス)→バス→シティ→BrisbaneなんとかLibrary→State Library of Queensland→ハンバーガー

QUT。除籍本?を利用した天井に圧倒された。新着図書コーナーでは紙+電子。




なんとかライブラリー。


SLQとブリスベン川。



7/9(thu):フォーラム Day 1

  • 会場:Hotel Grand Chancellor Brisbane
  • 緊張するタイプの会場だ。。(去年の写真とぜんぜん違うじゃん)
  • 冒頭からまさかのマイクまわし自己紹介タイム。。何も考えてないので4センテンスくらいしか喋れない。
  • この期に及んでもほんとにプレゼンする意義があるのかと考えてしまって、びっくりするほど他人のプレゼンを聞いている余裕がない。
  • Edith Cowan Universityの事例報告。442,250 print books < 540,977 ebooksというサイズ、print decreasing / ebooks increasing rapidlyという利用状況、違うなあ、と改めて。
  • 小泉先生のプレゼンはさすがに手慣れた堂々とされたもので!
  • 自分の出番の前にちょっとした質問をしておくのは良かった。
  • ランチはエスニックなカレー。
  • 午後に自分の出番。せっかく作った原稿をほとんど見ず、記憶とアドリブでしゃべる始末。質疑では5人くらいからコメントをもらい、意外と聞き取れた(一度鈴木さんにヘルプしていただき)。次はもっとうまくできると思う。たぶん。
  • Maryのプレゼンがかっこよかった。
  • バスでアジアンなレストランに移動して、ディナー。やかましいところでは英語が聞き取りづらく、初対面の人たちと雑談するのも難しく(まわりはエルゼビア社員ばかりだったし)、ちょっと辛かった。けど、そもそも日本でも飲み会は苦手なんだった。海外からのゲストにサプライズでプレゼント(置き時計)を用意しておくのはいいなあ。

会場風景。


ディナー。この手の天井高くに設置された暖房器具をよく見かけた。


7/10(fri):フォーラムDay 2

  • Australian National Universityの事例報告。学生の研究がmultidiscipinaryにシフトしているという背景のもと、エルゼビアのOnline reference worksを導入したというもの。プロモーションの工夫は自分のプレゼンと通じるものがある。
  • グループディスカッション。テーマはContent Acquisition x ROI。心折れた。。得意なテーマじゃないとプロと英語で議論するのはちょっと無理。
  • ランチはまたカレー。韓国のひとと話したりした。
  • 午後は観光:公園、電車、雨、虹、観覧車、West End、カンガルーステーキ(@habitat





電車初乗りが5ドル近くするような物価の高さなのに果物が異様に安い。

7/11(sat):移動日






7/12(sun):移動日