dissemin:ORCID→ZENODO

承前。仏CAPSHの提供しているdisseminというサービスについてもメモ。

http://dissem.in/

Dissemin helps researchers ensure that their publications are freely available to their readers. Our free service spots paywalled papers and lets you upload them in one click to Zenodo, an innovative repository backed by the EU.

ということで、研究者を対象にしたサービスで、自分の書いた論文をかんたんにリポジトリに登録できるというものらしい。どうもそのへんのウェブサイトに載っければいいやんではなく「リポジトリ」というところに力点があるらしい。そして、登録先にはZENODOを採用している。

ZENODOについては以前書いた。


使い方

1. ORCIDで自分を特定する

氏名で検索 or ボタンからORCIDにログイン。検索した場合は同定して「はい」をクリック。

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2. 自分の業績一覧が表示される

最初はORCIDに登録した業績を利用するのかと思ったんだけど、そうではなく、ORCID iDでさまざまなデータソースを検索して拾ってきてるんだろう。各業績のOA状態やセルフアーカイブ可能かどうかもカラフルに表示される。

f:id:kitone:20160312002753p:plain
http://dissem.in/0000-0003-0514-5033/

3. 各業績のページ

SHERPA/RoMEOを使って、セルフアーカイブ可能かどうかがバージョンごとに示される。エンバーゴ情報も。

f:id:kitone:20160312003422p:plain
http://dissem.in/paper/154335/

4. アップロード

2や3で「Upload」ボタンを押すと……ORCIDの認証を求められる。本人じゃないとアップロードできないようにしているんだろうと思ったけど、私のORCID iDでログインしてアップロード画面まで進めてしまった。。え、それでいいのか。よく分からん。最後にアップロードするところでハネてくれると信じたい。

いずれにせよ著者版しか公開できない場合にファイルを自分で用意しなくてはいけないところは通常通りか。

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プレゼン資料

プレゼン資料が公開されている。最初の2つはフランス語だけどスクリーンショットがあり、最後のは英語だけど文章ばかり。
http://association.dissem.in/files/slides-ens-2015.pdf
http://association.dissem.in/files/slides-jao-2015.pdf
http://association.dissem.in/files/slides-liber-2015.pdf

3番目のスライドの最後が商用CRISへの文句で終わっていた。
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感想

研究者データベース(CRIS)からのセルフアーカイブ、の一類型といえるだろうか。

  • 業績リストは静的なものをベースにするのではなくORCIDを使って動的に生成
  • リポジトリとして機関リポジトリではなくZENODOを採用

というのがちょっと変わったところかな。

たぶんORCID/DOIに全面的に依存してるんだろうなあ(日本語圏のことを考えて遠い目)。それで済めばそれに越したことはないよなあ。相手にするリポジトリがZENODOだけで良いならそれも楽ちん。