OpenAIRE-CORDIS連携

https://www.openaire.eu/reporting-horizon-2020-project-outputs-with-openaire

今月頭にOpenAIREから発表されたネタについて(NIIオープンフォーラム2016の発表でもちらっと紹介しました)。

欧州の研究助成プログラムであるHorizon 2020では成果論文のオープンアクセス化の義務化(と一部分野でのオープンデータ義務化試行)を実施しており、そのモニタリングやサポートを行っているのがOpenAIRE 2020というプロジェクトです。研究者の負担を減らすために、OpenAIREに準拠した機関リポジトリサブジェクトリポジトリに論文を登録さえすればそれだけで十分というサービスレベルを目指していると理解しています。

助成金を獲得した研究者はオープンアクセス義務化への対応とは別に、プロジェクト全体の成果についてCORDISというシステムで報告する必要があります。今回発表された連携機能は、OpenAIRE準拠のリポジトリに論文を登録しておけば、そのメタデータが自動的にCORDISに流れていって、研究者自身が手入力する必要がなくなるというものです(下のスライドの「List from OpenAIRE」という部分)。裏側のしくみは分かりませんが、リポジトリ登録時にメタデータに入力されるHorizon 2020のプロジェクトIDをキーにしているはず。

日本で言えば、科研費の研究実績報告書を書くのがちょっと楽になるという感じですね。この研究実績報告書では2015年度からオープンアクセスの有無をチェックする欄ができましたが、このように研究者の自己申告に任せるのではなく、実際にリポジトリに登録されたという事実をもとに管理するというのも上手いな、と思います。