2016年のふりかえり

# 単なる日記です。

福岡生活3年目、35歳、就職10年目。いろいろな意味で節目の一年だった。

自分が35歳という年齢を強く意識しているのは、1972年度生まれのあのひとたちが、わたしの就職した年にちょうど同じ年頃だったからなんだろう。雛鳥よろしくあのころ目に刷り込んでしまった姿に、自分がちゃんと届いているのだろうかと考えてしまう。もっともいまでは、同じような道を歩けるとも、そもそも歩こうとも、あんまし思ってないらしいんだけど。遠くへ来たものです。

今年は積算するとおそらく2か月ほどを出張に費やしていて、特にプライベートも含めて海外によく出かけた(2月のドイツが初渡欧だったのに年内に計4回行った)。春には、昇進はしなかったけど半分係長みたいな立ち位置になった。来年サービスインの次期図書館システムの調達業務も本格化し、初めての仕事に振り回されることになった。この3つが今年の大きな変化だったと思う。それぞれそれなりのチャレンジやストレスがあったけど、責任感と頼りがいのあるチームといっしょに乗り切ることができて、またひとつふたつ成長できたという手応えが残っている。

自分のresearchmapを見返すと、書きものが6本、人前で話したのが5本、国際会議ポスターが1本、とアウトプットもそこそこしてきたように見える。でも、特に4月以降、心の多くを占めていたのは、どちらかといえば、折衝・調整、資料作成、予算とスケジュールの心配といったたぐいのことだった。何件か重ための意思決定もあり、少しでもevidence-basedな決断をとうじうじ思い悩んでいる時間も少なくなかった。まあ最後は、後ろ指さされる覚悟で、えいやっ、でしたが。

総じて、イケイケドンドンの昨年と比較すると「守り」の一年だった。ただ、調整や相談のためにあちこちに出張っていったという意味では、いつになく積極的な姿勢をキープした一年だったとも思える(その積極性が環境の変化によってもたらされたという受動性はひとまず置く)。結果はともかくとして、要所々々でポイントを外すことは少なかったんじゃないか。たぶん、攻めるために守っていた、のだろう。

大きな病気もなく、肩こりや背中の張りに悩まされることもなく。夏以降は体型も顔もしゅっとしてきて、年齢のわりに健康と言えるんじゃないだろうか。相変わらず先の見えない人生であることには変わりはなく、無駄に健康でもと言われたら返す嫌味も思いつかないが……。写真に写るのはずっと苦手で避けてきたのだけど、最近は、いつ死ぬか分からへんしおとなしく写されておこう、そしたらたまには誰かに思い出してもらえるかもしれへんし、という心境になっている。

昨年は手持ちぶさたになると『ベイビーステップ』を繰り返し読んでいた。今年はそれに当たるものが『ダイヤのA』だった。ジョブローテーションから逃れられない世界で生きているせいか、3年間という似たような時限のなかで生まれるドラマになにかを重ねてしまっているのかもしれない。後悔なしにexitできる選手なんてほとんどいないわけですけどね……。しかし、稲実戦(2回目)以降は沢村に隙がなくなってきててこの先どう話を盛り上げていくんだろうと心配になる。

ライブは6本と少なめ(去年も少なかった)。クラムボンイムズホール、CIRCLE '16(2日目)@海の中道海浜公園オザケン福岡サンパレスホールスネオヘアー@博多百年蔵、LILI LIMIT@grafジャンスマ成人式@東京キネマ倶楽部。福岡在住中に一度はと憧れていた博多百年蔵を体験できたのが嬉しかった。ドリンクチケットが日本酒の瓶の蓋だったり、さらにはそのドリンクが樽で冷やしてあったりってのにニヤニヤしていたら、あんなに低音が響くものなのかと目を開かせられることになった。そしてジャンスマ。こんな歳になってイクノフの歌を間近で聴く日が来るだなんて思ってもみなかったけど、そのことよりも、20年前に彼女の歌声を同じように聴いていた同業者といっしょにライブに参戦しているというめぐりあわせに、そわそわと落ち着かない。来年は、眩暈SIREN、ACC、マイヘア、ぼくりり?、、、の予定です。

今年こそ二輪免許を取るぞ!という目標はやっぱり達成できず。

1月

まさかの向井秀徳紅白電撃出演からスタート(NHKオンデマンドなので1日遅れなんです)。昇給幅が大きいのに喜んだ。OA方針決定。ドイツ出張準備……日程調整、アポ取り、旅行事務、ファイル1冊分の資料読み込み(2016年最も勉強した瞬間)、質問作成・英訳、にかまけていた。他所様のお金で海外に行くのはなかなか大変だと知る。3月末の体育館閉鎖に向けて昼バドにいそしむ。過去10年にわたる利子分損失を重く受け止めて、日本育英会(古)第二種奨学金の残額100万円ほどを一括返済することにした(まだ一種が200万くらい残っている)。ZOZOの買取サービスに初申込。鶏肉の味噌だれ漬けキャベツ焼きにハマったり、有栖川有栖ドラマ化に頭を抱えたり(存外面白かった。「貴方に首すじ噛まれ隊」も妙に)。月末は熊本までバドミントン日本リーグ観戦に出かけた。

年末から眩暈SIRENを聞きまくっている。「ハルシオン」もかっこいいけど、いちばん好きなのは「Life finds away」。


2月

Google Scholar対応で苦しんだり、光栄にも前総長(前々館長)に名前を覚えていただたりした。某氏長男誕生。クラムボンのライブ、でサインをもらった。飯野さん@佛大からいただいたディスカバリー本が若手・中堅のキャリア形成という観点からとても面白かった。氷濤まつり・スキー・ジンギスカンという冬の札幌旅行。OpenAIRE調査のため、2/20〜27に北大の三隅さんとドイツ3都市をめぐる鉄道の旅をした。何時も思い知らされるけど、海外に出ればみんな日本代表。雪のコンスタンツは美しく、スイスとの国境をまたいでふたりではしゃいだ。

「真赤」でMy Hair is Badを知る。PVもいい。武居詩織かわいい。


3月

ドイツ出張残務をかたしつつ、担当Webサービスの改修プロジェクトを進める。いくつかの用務をセットにして3/2~9と長めの東京出張に出かける(羽田空港の事故で+1泊;あまりのことにうろたえてクレジットカードを紛失する)。ドイツで会った方と東京で再会し、東京でようやく会えた方には6月にダブリンで再会した。秋から友人が国費留学するとか、ベボベ湯浅が脱退するとかいうニュースに驚く。学認の委員会で3/14~15に再び上京し、帰りに池袋で id:otani0083 と合流。数学専攻の院生に電子ブックなインタビューをした(認識どおり、気持ちいいくらい活用してくれてた)。月末には突貫の概算要求資料作成に追われる。別れの季節、で、NDL時代に仲良くしてくれたOさんが退職するという知らせ。部長(当時)には「思いっきりやりなさい」と言っていただいてひどく嬉しくなった。しかしこんなんでよくカレント-Eの原稿を書く余裕と時間があったなぁ……。PEN-Fと全自動エスプレッソマシンという今年の二大買い物をした。

DVDで見た『タイピスト!』がとてもかわいかった。


4月

当館に強力なバドミントンプレイヤー2名がjoinした。自分は半分係長みたいな立ち位置になり、アジャストしていくのに時間がかかった。特に、自分で仕切ることになるとは予想してなかった次期図書館システム調達の段取りんぐに苦しみ、過去のドッチファイルをなんどもなんどもめくってうがーわからんーなんでこーなってるんやーとなっていた。Webサービス改修のお披露目。リポジトリ10周年。フィッシングメール問題。導入説明書作成。某氏次男誕生。熊本地震。桃田・田児の事件。年度初めとは無関係なこともいろいろ発生し、順応していくだけで一ヶ月が終わったという記憶がある。そうそう、お誘いを受けて4月号から『情報管理』誌のモニターを始めた。

2月のライブで買ったクラムボンのアルバムから「結のうた」が染みまくってずっと聞いていた。帰りも遅いし、ソラリアにできた華味鳥の鶏そばはさすが水炊き屋だけあって困った旨さだし、で順調に体重増加。


5月

GWには原稿を2本書いてた。終わったらNIIオープンフォーラムのプレゼンを作って、次はOR2016のポスターに着手。という感じでどうにも逃避したくなってフィンエアーで夏休み旅行の計画を立てたりしていた。中旬、同僚3人とCIRCLE '16に参加。昼は真赤に日焼けし、夜はずぶぬれでMETAFIVEに揺れる(そしてめんどくさい酔っぱらいにからまれる)。健康診断に向けて冬の怠慢と春先のストレスで増加していた体重を削っていく。ドラマ『グッドパートナー』が気に入って毎週楽しみにしていた。

6月

OA方針実施要領の年度内策定を目指して、ひさびさの委員会事務がスタート。CRIS2016→OR2016と、国際会議を単独行ではしごする英国・アイルランド出張(6/7-18)。OR2016ではポスター発表をしたりパブやカフェでOpenAIREなひとたちと交流した。今回の旅を通して、ああ、これからこうやって生きていけばいいのかと自信がついたと思う。帰国するとすぐに #ORCIDKyushu2016 があり、次期図書館システムの仕様書案の作成で1週間ほどキリキリ頭を痛めたり(今年いちばん鎮痛剤を投与した時期)。月末は同僚とオザケン千秋楽@福岡サンパレスに行く。誰と人違いしたのか分からないがスタッフに「楽屋にご案内します」と声をかけられて、バカ正直に「ち、ちがいます」と答えてしまったのは若干後悔している。Brexitの衝撃。

7月

英国・アイルランド出張の報告書を作成。某ディスカバリーな資料を作ったり、どたばたとクラウドな検討をしたり。職場の草刈りで、例年よりも切れ味の鋭かった鎌によって左手人差し指を鮮やかにカットした。病院には行かなかったが、キズパワーパッド様のおかげで水回りの心配もせずにきれいに治った(跡は残ってる)。サンメディアセミナーで来福した id:otani0083 がうちに泊まっていった(ほんとに床で寝るんだから)。

LILI LIMITを聞きはじめる。「Girls like Chagall」に惚れ込み、いまでもいちばん好み。

8月

とにかく大学図書館職員短期研修の講義資料の作成で苦しんでいた。ちっとも自信が持てなくて、Kindle UnlimitedでランドリオールとかJドリームとかいろいろ読みふけって逃避する。ダブリンが舞台だと知って映画『シング・ストリート』を観に行き、サントラを買うくらいに気に入った。同じ監督の『once』や『はじまりのうた』も観る。リオオリンピックでタカマツが金。つちやが水まんじゅうを通販していることを知り、取り寄せて職場で分け合う。

ニノの「虹」。「何で言えないのかな? 好きだよ。一言よ?」

9月

とある打ち合わせである提案をしたところ拍手で迎えられる、という稀有な経験をした。短期研修の講義資料を提出してひとまず肩の荷が下りる。メタデータ合宿という名の東京出張(9/7〜9)。「離婚」メール。夏季休暇(バルト三国バス旅行)もあって出勤日が異様に少ない。サービス系のちびっこが退職してしまったのが寂しいかぎり。留学生ツアー終了後に「Facebook friendに」と言ってもらえたのがうれしい。『聲の形』が映画化され、和田萬吉と水まんじゅうくらいしか名物のなかったふるさとが瞬間最高視聴率的な注目を集めていた。

10月

新中央図書館プレオープン。図書館システム仕様書案説明会。短期研修@京大、反省しかない。申し訳ない。旭川で雪に触れる。初めての印鑑登録、初めての連帯保証人。スイーツランチビュッフェやら萩の月対決(萩の月、お月さま伝説、かすたどんという類似和菓子をブラインドテストする遊び)やら、同僚とふうわりと秋っぽいこともした。電通の事件に逆方向の影響を受けてひどくdepressedな状態になる。おもわず他人にすがってしまう、くらいには弱る。そんななか id:negadaikon が待望の処女作を上梓(ぱちぱち)し、一冊頂戴する。九龍城とTMNに動機づけられて香港に出かけた(10/28〜30)。尖沙咀のフェリー乗り場で売ってた15HKDの竹蔗茅根水が気に入り、3回くらいリピードする。ハイスミス!と原作にも目を通した『キャロル』をDVDでようやく観た。ルーニー・マーラの髪型とファッションがとにかくラブリーで、『ソーシャル・ネットワーク』のエリカであることをいまさら認識する。

<憧憬>の明治精神史 ―― 高山樗牛・姉崎嘲風の時代

<憧憬>の明治精神史 ―― 高山樗牛・姉崎嘲風の時代


11月

妹がiPSな会社に転職。業務では主に予算調整に気を揉んでいた。。メタデータ☆ナイト/図書館総合展出張(11/7-9)。その間、博多駅前に大穴が開き、トランプが勝利した。学内バドミントン大会では「YouTube見てきました」という天才肌の初心者とペアを組み、世の中運動神経なのか……と思い知らされる。でも集中的に狙われたら勝てんわね。プレッシャーのかかる状況でのサービスの成功率が自分の課題だった。2年越しのNDLサーチ連携が完了し、ほっとする。スネオヘアー、LILI LIMIT、ジャンスマ成人式、とライブ続き。Hさんが産休に入る(仲良くしてるひとがどんどんいなくなる)。関東で異例の雪(11/24)。逃げ恥、というか石田ゆり子。で、瓦そば。それはともかく野菜が高い。白菜が1/4カットで148円税抜きとか……。ファミマのカット野菜が案外リーズナブルだと気づいて重宝する。相変わらず減量を続けていて、4月から比べるとマイナス8kgくらいになる。身体が軽く、重心が胸らへんにあるような感覚。ひどく調子が良い。小顔になった、のか?

ジャンスマ成人式では「16歳」が聞けなかったけど、カップリングの「東京、さびしんぼ」があまりにジャンスマで震えた。

ずっと気になっていたAwesome City Clubも聞いてみたら案の定好みで、今のところいちばんノレるのは「ネオンチェイサー」(残念ながら動画はない)。


12月

短期研修@東大。京大のときよりはよい出来だった、かも。ついでにアーツ千代田3331で弟の展示を見てくる(ついに映像作品に手をだしたか……)。一般には批判される体型変化→妊娠という短絡的な連想がうまく機能することもあるのか……という事案が発生して大きなショックを受ける。OA方針実施要領がぶじに決定して、急ピッチでいろいろ動き出す。折々にお手紙をくださるおばさまからクリスマスカードが届く。あたたかく見守ってくださる文章に目を通しながら、いつも「祈る」ということについて考えてしまう(そして頭に浮かぶのはユリスモール・バイハン)。同期が還暦を迎える。ベルリンのクリスマスマーケットでテロ騒ぎ。そんなデンジャラスな街で、留学中の友人と年の瀬を過ごす。

「Oh baby 今夜のキスで 一生分のこと 変えてしまいたいよ」。七尾旅人のリリックもだけど、それをオリジナル以上に切なく歌い上げる青葉市子にあらためて恐れ入る。

ぼくりり。名前で敬遠していままで聞かずにいたことを後輩と後悔しあう。

Kaiser Wilhelm Memorial Churchのクリスマスマーケットにて。いつもすれちがうのは「Why」をめぐる物語だと思いながら、祈る。