岡山大学が学位論文等の公開を義務化してから1年目の結果

http://www.lib.okayama-u.ac.jp/kai/kai56.pdf

2013年3月23日に公開された岡山大学附属図書館報『楷』No.56(2013年2月)に「博士学位論文および学内プロジェクト研究成果論文の公開原則義務化一年目の現状」という記事が掲載されています.2012年1月に発表された機関リポジトリでの義務化の一年目の成果について簡単にまとめたものです.

それによると,博士学位論文についてはこう.2012年3月時点では登録許諾確認書の提出は任意だったそうで提出者が少ないです.2013年3月の結果が気になりますね.

学位取得者 登録許諾確認書の提出者 許諾者 リポジトリ登録
2012年3月 150名 38名 34名 32件[*1]
2012年9月 54名 52名 40名
2012年12月 14名 14名 14名

もうひとつの学内プロジェクト成果論文については,プロジェクトから論文リストを提出してもらう(384件)→図書館でリポジトリ登録の可否をチェックする(268件)→プロジェクトから論文データを提供してもらう(72件)→図書館で機関リポジトリに登録する(72件[*2]),という結果[*3].データ提供数が少ない……こんなもんなのかな.

この義務化が発表されたときには驚きましたが,学位論文については2013年4月1日付けの学位規則改正により公開が義務化されます(そっちの急展開っぷりにはもっと驚きました……).*この枠組みにおいては*今後は学内プロジェクトの成果論文公開のほうだけが続けられていく,ということなんでしょうね.前のページの富田健市部長の「これから博士の学位を申請する皆様へ」という記事も併せてどうぞ.


*1:出版社の方針により2件は公開が認められず.

*2:元記事ではプロジェクトごとの登録件数も示されています.

*3:数字は2012年2月時点.