Ingram CoreSourceから直接British Libraryに電子出版物を法定納本することが可能に
2012年の国立国会図書館法改正によって,2013年7月1日から日本でもオンライン資料が納本制度の対象に加わります.まずは,民間で出版された電子書籍や電子雑誌などのうち「無償」かつ「DRMなし」のものが対象になります.いろいろとややこしいので詳しくは以下のページを参照のこと.
それに先立ち,英国でも4月6日に非印刷出版物に関する法定納本の規則が施行されました.これによりBritish Libraryなどの納本図書館で電子書籍や電子ジャーナル,ウェブサイトの収集が始まりまっています.この規則ができあがったのは最近なんですが,法律自体は2003年に制定されてるんですよね(E142参照).10年かかったっていうことか…….
- 英国の法定納本、ウェブサイトや電子出版物を対象とする規則が2013年4月6日に施行 | カレントアウェアネス・ポータル
- E1167 - 非印刷出版物の法定納本に関する規則案をめぐる動向(英国) | カレントアウェアネス・ポータル
- E142 - 法定納本制度の対象に非印刷出版物を追加(英国) | カレントアウェアネス・ポータル
そんな英国の件に関連して,4月16日付けでIngram Content Groupからこんなプレスリリースが出ていました.
同社のCoreSourceという出版社向けシステムから直接BLに納本を行うことのできる機能が追加されたというはなしです.BLのAndrew Davisさん(Legal Deposit & Digital Acquisitions Manager)も「Ingram CoreSourceが電子出版物の法定納本の成功を支援してくれるだろう」とコメントを寄せていますね.
CoreSourceは,デジタル資産管理・流通サービス(Digital Asset Management & Distribution Services)と銘打たれています.hon.jpさんはざっくり「電子書籍流通サービス」と紹介していますが,もっといろいろな種類のデジタルコンテンツを管理できるんでしょう.また,管理だけではなく,Ingramの提携している160以上のパートナー(Apple iBookstore含む)を通してそのコンテンツを流通させることができるというのがウリのようです.
CoreSourceは世界トップ50の出版社の25%が導入しているそうで[*1],プレスリリースによると,そのなかからまずはTaylor & FrancisとKogan Pageがこの新機能を使用するということです.
*1:Used by 25% of the world's top 50 publishers, Ingram's CoreSource® allows content to flow swiftly and safely from your organization to over 160 distribution partners around the world.