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カレントアウェアネス-E No.274感想

CA-E感想

# 遡及入力。

新年一発目。外部原稿4本、内部原稿1本。


■E1643■ JALプロジェクト2014:公開ワークショップ<報告>

東近美の水谷さん。

JAL = Japanese-art librarian。JALプロジェクトは2014年度に開始されたということでいいのかな。2013年度まで行われていた「日本専門家ワークショップ」(E1408参照)の美術資料特化版というイメージを持った。

記事では、招聘された7名による最終報告会という位置づけのワークショップ「日本美術の資料に関わる情報発信力の向上のための提言」について報告されている。フリーランスの方がいるのにちょっとびっくり。提言のまとめとして特徴的な点が3つ述べられているけど、小出さんの言にあるとおり「日本美術に限らず,海外の日本研究の全般において」共通の問題だろう(と思えるのは、ひとえに江上さんのおかげか)。美術資料特有の課題はなかったのだろうか?

来年度のプロジェクト継続は未定、か。



■E1644■ 電子図書館サービス実証実験@山中湖情報創造館

丸山さん。3月末までの実証実験の、ちょうど中間報告。

2014年12月31日において貸出可能な電子書籍は1,823点。図書館向けの電子書籍の提供に賛同するKADOKAWA,学研,講談社,筑摩書房,文藝春秋インプレス等の出版社の協力による充実した作品群での提供である。また利用者においては山中湖情報創造館の利用者登録者(暗証番号登録者)が利用可能であり,のべ総ログイン数1,294回,のべ電子書籍貸出数836点という結果となった。

どんなタイトルが借りられて *いない* のか、が気になる。手に取ってもらえるものとそうでないものの差は。

後半は“New media for new audiences”という(図書館総合展でも聞いた)フレーズを引き合いに、新しいユーザへのアプローチについて述べられている。メディアが増えれば、ユーザ層も増える。しかしこれ、存じ上げなかった。>「山中湖情報創造館においては10年前の開館時に新聞折込広告を」

国産の電子図書館サービスシステムは,まだ誕生したばかりだといってもいい。基本的な機能はあるものの,フィジカルな図書館における開架書架のような一覧性には乏しい。

は図書館向けのサービスだけじゃなくて、どこでも同じという感じ。



■E1645■ アーカイブ座談会「担い手が語る/若手が語る」<報告>

なちさん。

2回の座談会の報告。NDLの職員が何名も関わっている「アーカイブ立国宣言」(Kindle版で買いました)の出版記念イベント。記事では主催者が明記されてないんだけど、版元のポット出版

アーカイブ立国宣言

アーカイブ立国宣言

しかし有名人のオンパレードだ。。記事で紹介されているのはこの界隈では繰り返し言われ続けていることという印象(それだけ重要で、難しい問題だということなんだけど)。

司会の福島幸宏氏(京都府立総合資料館)による,よいアーカイブとは何か,という問題提起に対し,登壇者は回答にやや苦心していたように見えた。

ここがいちばんおもろかったw それに対する生貝先生の回答は

検索エンジンでヒットしないものは存在しないとすら考えているようなデジタル世代が,文化の楽しさや素晴らしさを,これまでの世代と同様にもしくはそれ以上に享受できるもの

だったそうだ。「デジタル世代」がそんなふうに考えているかどうかは自分には分からないけど、ちょっと気になったときに検索したらコンテンツを見ることができるようにしておかなければ(他のコンテンツに勝つのは)無理だろう、とは思う。薄い関心を持続してもらうのはとてもむずかしい。世の中には他の「楽しさや素晴らしさ」がたくさんある。

# 文化資源戦略会議のブログもニュースソースとしておすすめです。



■E1646■ 米国デジタル公共図書館(DPLA)戦略計画2015-2017

篠田さん。

春には2周年を迎えるDPLA、の戦略計画の紹介。ざっくり言って、まだまだやることがたくさんあるフェーズなんだという印象を受けた。

菊池さんの記事(E1429)で知ったService Hub / Content Hubという手法はやっぱり面白いなあ。国立国会図書館サーチも都道府県ごとにアグリゲータを設けないとやっていけないという日が来るのだろうか。

個人的にはHathiTrustとの関係が気になっていて、「現在の枠組みでは対象外のコンテンツ(電子書籍,視聴覚資料,学術研究の成果等)を収集対象とするプロジェクトの実現」のところに反応した。あとは、

DPLAではボランティアを活用し,地域のコミュニティのあらゆる立場の人々にDPLAを普及させる“Community Reps”というプログラムを実施している。2014年には,全米50州および5か国からの200名をCommunity Repsとして承認した。Repsは,図書館,博物館,企業,学校でのイベントの運営や,DPLAのコンテンツや技術を紹介する入門的な資料の作成などを行っている。

もすごいなあ。サポーター、って感じか。どういうひとたちがなるんだろう、と気になって地図を見てみると、やっぱり図書館員が多いけど、大学教員やITコンサルなども。



■E1647■ 第4回日中韓電子図書館イニシアチブ(CJKDLI)会議<報告>

出席者4名連名。

毎年恒例のCJKDLI。去年は韓国開催だった(ので id:kzakza さんにチューブのコチュジャンをもらった)けど、今年は中国(なので福山さんに烏龍茶をもらった)。来年は日本か。。

各国報告のところはともかく、合同事業としては、

  • 中日韓デジタル図書館データベース構築計画(中国、今回新規提案)→今後検討
  • 国立国会図書館サーチ連携実施計画案(日本)
  • 統合的情報サービス(ポータル)(韓国、前回合意)→ちょっとは進んでいる?

という感じなのかな。進捗の実態がよく分からん。

NDLからは,「国立国会図書館サーチ連携実施計画案」について概要を説明した。この「実施計画案」は,国立国会図書館サーチが今後連携対象とする機関・システム,今後概ね5年間を目途に実現を目指す連携拡張の規模,効率的な連携拡張の方式等を明確化することを目的として現在作成を進めているものである。

がとても気になる。特に「効率的な連携拡張の方式」のところ。