「国立会図書館サーチ連携拡張に関する調査報告」第5章が勉強になる
2015/3/27付で「国立会図書館サーチ連携拡張に係る実施計画」が公表された。
http://current.ndl.go.jp/node/28280
仕事で関係するのでひととおり目を通してみたところ、
- MLAや海外サイトやサブカルも含めて網羅的にやっていきたいけどNDLの人員・予算には限界があるからさまざまな領域でアグリゲータが登場してくれると嬉しそう。
- API連携ができると楽で、特にOAI-PMHを推していきたいっぽい。こんなに推されると当分ResourceSync(CA1845参照)の入る隙間はないのかな。。
という2点が特に印象的に残った。
それはともかくこの計画の参考資料に「国立会図書館サーチ連携拡張に関する調査報告」というものがある。
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/9207570/4
# http://doi.org/10.11501/9207570
そもそもNDLサーチとの連携なんて大多数のひとには関係ないだろうし、この報告書も57ページと大部なのであんまり読まれなさそうだ。ただ、上記の計画を立てる上で国内のどのような組織でどういったデジタルアーカイブ/データベースが構築されているかを把握する必要があって、その調査結果が第5章にコンパクトにまとめられている。国内主要プレイヤー総なめって、感じ(総なめの使い方が間違っている気がする)。鳥瞰図。ここだけでも目を通しておくと勉強になると思う。特に若いひと。
第5章の目次はこんな感じ。
5. NDLサーチの領域ごとの連携の現状と今後想定される実施事項
例えば、公共図書館や大学図書館のデジタルアーカイブがどれだけあるかを『日本の図書館』をもとに悉皆調査している(どなたがやったのかわかりませんがおつかれさまでした……)。結果だけ紹介すると、公共図書館では78、大学図書館では91だったという(巻末にはそれらの一覧がある)。まあ、デジタルアーカイブの定義も難しいのでこれが必ずしも正しいとは限らないけど。。
文学館の項では id:hiroyukiokano 先生の仕事がベースになっていたりする。
ただ、リリースのタイミングがまるかぶりだったこともあってか、ERDB-JPが抜けていた。
そんなわけで、おすすめ。
# こういう"業界地図"の学術情報流通業界版を作りたいんだよなあ、と、AIPがなんの略かも知らなかったころの自分を思い出して考えたりする。