図書館ウェブサイトの新着図書ギャラリー的なもの

メモ。他に見つけたら足します。

ICU

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http://www-lib.icu.ac.jp/

  • 「New Book」
  • 位置:検索窓→お知らせ、の下
  • 3冊 x 6ページ = 18冊(ループ)
  • 簡易書誌全部出し
  • 日英共通インタフェース、でも英語画面からでもOPACの日本語画面にリンク
  • ウェブサイトはWordPressOPACはE-CatsLibrary

九州大学附属図書館

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https://www.lib.kyushu-u.ac.jp/

  • 位置:検索窓の下
  • 8点 x 4ページ = 32点(ループなし)
  • 図書以外のコンテンツも
  • レスポンシブ対応
  • 簡易書誌はツールチップで表示
  • 英語対応
  • 毎日更新
  • ウェブサイトはDrupalOPACはeXtensible Catalog

南山大学図書館

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https://alta.lib.nanzan-u.ac.jp

  • 「新着案内」
  • 位置:ニュースの下
  • 自動スクロール
  • 3冊/ページ、計10冊(ループ)
  • 簡易書誌は途中でぶった切られてる
  • 日・英・中・韓対応!
  • 「もっと見る」をクリックすると「◯◯新着資料一覧」が表示されるけどどういう運用なんだろう
  • 日本事務器のOPACのデフォルト機能かな?(獨協大学にもある)

静岡大学附属図書館

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http://www.lib.shizuoka.ac.jp/

Jisc Publications Router

Jiscが2016年8月から以下のサービスを正式に開始すると発表しています。2015年からプロトタイプシステムの開発や一部機関との実験を行っていたものです。

Jiscは次のようにライフサイクルに沿ってオープンアクセス関連のサービスを提供しており、その中盤に位置づけられています。

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Jisc Monitorはその名の通りオープンアクセスモニタリングのためのしくみで、英国らしくAPCにもきちんと向き合っていてこれはこれで面白いのですが、ここではリポジトリ登録のワークフローを自動化させるPublications Routerについてまとめておきます。

概要

https://pubrouter.jisc.ac.uk/static/img_1_800px.png

  • 出版社等と契約して論文のメタデータとフルテキストを自動的に収集し、メタデータから著者の所属機関を判断してその機関リポジトリやCRISに流す(ルーティング)
  • 現在の契約出版社等:Europe PMC、eLife、PLOS;Springer Nature(まもなく;Springer OpenとBioMed Centralが対象)、CrossRef(予定)
  • 技術的基盤:OAI-PMH、SWORD、FTPAPI
  • 対応システム:EPrints、今後はDSpaceやCRISにも対応予定

自動化によって機関リポジトリ運営側も研究者の手間を省きつつ、コンテンツを増やせるわけです。

https://pubrouter.jisc.ac.uk/
https://drive.google.com/file/d/0B_TI_KU8Rzj7QlZyMjhqNldtZ00/view
https://scholarlycommunications.jiscinvolve.org/wp/2016/04/19/jisc-open-access-services-at-uksg-2016/
https://scholarlycommunications.jiscinvolve.org/wp/2016/05/18/publications-router-monitor-local-and-monitor-uk-to-move-to-full-service-status/
https://scholarlycommunications.jiscinvolve.org/wp/2016/05/20/publications-router-new-publishers-join-and-next-steps/

ポイント

以下、自分がポイントだと理解した点です。

フルテキストが含まれていること

例えばScopusのような2次データベースから自機関研究者の論文メタデータを収集して、研究者に(半)自動的にセルフアーカイブを促すというような取組はこれまでもあったわけです。

Publications Routerはそういったシステムを全国規模で展開しているだけというふうにも見えますが、大きな違いは、論文のメタデータだけではなくフルテキストをも取り込んでいることでしょう。そのために(Scopusのような2次データベースではなく)出版社と直接契約を交わしているわけです。そういう意味で、単なるシステム連携ではないわけですね。

スピード

REF(Research Excellence Framework)では論文のアクセプトから3か月以内にリポジトリに登録することが義務付けられていますが、

PLOS publishes articles within an average 16 days of acceptance (median 13 days), so its feeds to the Router enable participating institutions to add the articles to their repositories within the REF policy’s three-month deadline.
https://scholarlycommunications.jiscinvolve.org/wp/2016/05/20/publications-router-new-publishers-join-and-next-steps/

というスピードで処理してくれるので著者が自分で登録しなくても間に合うという。(Scopusのような2次データベースに採録されるまでのタイムラグはどれくらいなんだろうか?)

エンバーゴへの対応

エンバーゴの存在する論文についても、フルテキスト(とエンバーゴ終了日)が出版社からリポジトリまで流れてくるようになっています。

さらっと読み飛ばしそうですが、これはすごい。その論文はもしかしたら当該機関で契約していなくて読めないものかもしれず、それを悪用しようと思えばできなくもない。そのためにきちんと legal agreement を交わしているんですね。

Some publishers may supply content that is under embargo. If so, we will include the embargo end-date in the metadata. For those articles, you will need to agree to respect these embargoes by signing an agreement with us.
https://pubrouter.jisc.ac.uk/about/institutions/

実際にゴールドOA以外の場合がどれくらい実現するのか、つまり、エンバーゴのある論文や著者最終稿(Author Manuscript)がどれくらい流れてくるようになるのか、というのが気になるところです。期待。

ルーティング

いちばん肝心なところですね。出版社から流れてきた情報を各機関にルーティングする際には、もちろんメタデータの著者所属情報を使います。マッチングのために機関側に対して以下の情報を提供するよう求めています。ルーティング先がうまく決定できない場合は人手で流したりするんだろうなあ……。RingGoldのようなものもありますが、標準化が進んでいない領域ですね。でもORCIDをこうやって使う手があるのか。

To enable Publications Router to send you notifications about the correct articles, you will need to provide us with some key parameters that Publications Router can use to match them to your institution. These include variant names for your institution, post-codes that may occur in its addresses, email domain names that your authors may use, or your researchers' ORCIDs.
https://pubrouter.jisc.ac.uk/about/institutions/

なお、Publications Routerは今後CrossRefのメタデータを取り込むことを考えているものの、

We’ll then do the same for Crossref. Usable coverage here is so far surprisingly quite limited, as most publishers don’t yet populate it with authors’ affiliation details.
https://scholarlycommunications.jiscinvolve.org/wp/2016/05/20/publications-router-new-publishers-join-and-next-steps/

としています。(こういった情報がきちんと管理されてるのはScopusなどの2次データベースのメリットなのかなあ。)

他のサービスとの比較

以下の論文で、SHARE Notify、Jisc Publications Router、OpenAIRE Literature Broker Serviceという同種の取組が比較されています。

Some approaches focused on techniques for automatic deposition into a repository (SWORD project [4]), while others focused on the complementary aspects of how to broker publication information from publishers to relevant/interested repositories. SHARE and JISC/EDINA are two such initiatives, based respectively in the US and UK
http://www.dlib.org/dlib/november15/artini/11artini.html
# 2. Repository Literature Brokers in the literature

どのサービスもあちこちから集めてきたデータをルーティングするという意味では似たようなものなのでしょうが、フルテキストとエンバーゴという二点においてJiscは一歩も二歩も踏み込んでいると理解しました。もっとも、そのうちOpenAIREも同じようなことしてきそうだけど。

疑問

Publications RouterとMonitor Localを含めたトータルなワークフローがちょっとよくわからない。Publications Routerで流れてきたメタデータをもとにMonitor LocalでAPCの管理をするのか、それともMonitor Local側のほうが先になるのか。

先日のPASTEUR4OAのファイナルカンファレンスでJisc Monitorについて詳しいプレゼンがあったものの、そこまでは書かれておらず。
https://blogs.openaire.eu/?p=913
http://www.pasteur4oa.eu/sites/pasteur4oa/files/generic/Frank%20Manista.pdf

今度、CRIS2016/OR2016で尋ねてこよう。

OpenAIRE-CORDIS連携

https://www.openaire.eu/reporting-horizon-2020-project-outputs-with-openaire

今月頭にOpenAIREから発表されたネタについて(NIIオープンフォーラム2016の発表でもちらっと紹介しました)。

欧州の研究助成プログラムであるHorizon 2020では成果論文のオープンアクセス化の義務化(と一部分野でのオープンデータ義務化試行)を実施しており、そのモニタリングやサポートを行っているのがOpenAIRE 2020というプロジェクトです。研究者の負担を減らすために、OpenAIREに準拠した機関リポジトリサブジェクトリポジトリに論文を登録さえすればそれだけで十分というサービスレベルを目指していると理解しています。

助成金を獲得した研究者はオープンアクセス義務化への対応とは別に、プロジェクト全体の成果についてCORDISというシステムで報告する必要があります。今回発表された連携機能は、OpenAIRE準拠のリポジトリに論文を登録しておけば、そのメタデータが自動的にCORDISに流れていって、研究者自身が手入力する必要がなくなるというものです(下のスライドの「List from OpenAIRE」という部分)。裏側のしくみは分かりませんが、リポジトリ登録時にメタデータに入力されるHorizon 2020のプロジェクトIDをキーにしているはず。

日本で言えば、科研費の研究実績報告書を書くのがちょっと楽になるという感じですね。この研究実績報告書では2015年度からオープンアクセスの有無をチェックする欄ができましたが、このように研究者の自己申告に任せるのではなく、実際にリポジトリに登録されたという事実をもとに管理するというのも上手いな、と思います。

NII学術情報基盤オープンフォーラム2016 #SINET5 #of_repo

http://www.nii.ac.jp/csi/openforum2016

国立情報学研究所の学術情報基盤オープンフォーラム2016に行ってきました。最終日には羽田空港大韓航空出火事故があって、3月の出張に続いてまた欠航延泊か……とヒヤヒヤしましたがなんとか帰ってこれました。

自分の発表

用務のひとつはリポジトリトラックでの登壇。今回はオープンアクセスモニタリングのお話をしてきました。

早口すぎた……と超反省。持ち時間が10分ということもあり、今回はいつもと違って「正確な理解」は最優先しなかったにせよ、やっぱり詰め込み過ぎた……。次に人前で話す機会は秋冬の某研修になりそうで、そのときは気をつけよう(あっちは逆に75分もあるんだけど)。

表紙の画像は何?と聞かれましたが、モニタリングといえばダッシュボード(dashboard)でしょということでFlickrから拾ったものです。

最後のページにもあるように、6月にアイルランドのトリニティカレッジダブリンで開催されるOR2016という国際会議でポスター発表をしてきます。ついでにセントアンドリュース大学で開催されるCRIS 2016に寄ってから。CRISはいつか参加したいと思っていたので、セットで行かせていただけることになってとても嬉しいです。福岡→ソウル→ロンドン→エディンバラ→ルーカーズ→CRIS2016@セントアンドリュース→ルーカーズ→エディンバラ→OR2016@ダブリン→ロンドン→ソウル→福岡、という10泊12日の一人旅。何を着て行ったらいいのやら。

機関リポジトリ推進委員会協力員の仕事でこうしたプレゼンをするのは3回目でした。過去2回とは違って今回はresearchmapから離れたトピックに見えるかもしれませんが、関連したものです。

感想

初日は移動日、2日目は終日リポジトリトラック、3日目はクローズドな(なのになぜかフォーラムのプログラムに掲載されている)打ち合わせ、ということで別会場でパラレルに展開されていたCAT2020やERDB、学認の話はまったく聞いておりません。

リポジトリトラックの全般的な感想は #SINET5 #of_repo でツイートしていますので繰り返しません(だれかまとめてください;相変わらずTogetterにハブられてログインできないひと)。

Twitterでは、天野さんの「消えゆくデータを供養する : 人文系研究データのケーススタディ」が反響ありましたね。

個人的には

が楽しかった。DOI登録は昨年度自分でもせっせと手を動かして取り組んだことなので思い入れがあり、最近その事例を原稿(細かいことまで盛り込んだら1万字を超えた)にまとめていたところなので記憶も新しいし。

機関リポジトリにおけるJaLC DOI登録に関する発表はオープンアクセス・サミット2014以来になるのかな。あのときは先行実験館からの報告だったし、今回の加川さんはマクロな分析で、林さんはやや特殊なケースと言えるので、ごくふつーの登録事例があっても良かったんじゃないかとは思いましたが。加川さんの分析からは少なくとも2015年末時点では正直そんなに登録が進んでないということが感じられ、自分の担当プロジェクトでの課題がいくつか頭に浮かびました。まあ、JAIRO Cloudに移行すれば簡単にDOI登録できるよってことでいいのかもしれないけれど。



空き時間にキナリノで読んで気になっていた等々力渓谷に行ってきました。都心からたいして離れてないのに駅から徒歩3分でこの景色かとほんとに驚く。いい環境だなあと憧れたけど、家賃はそこそこ高かった。

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「E1791 - 欧州におけるCRISと機関リポジトリの連携の現状」を書きました

http://current.ndl.go.jp/e1791

昨年10月のE1725に続いて、EUNISとeuroCRISの報告書の紹介記事をカレントアウェアネス-Eに寄稿しました。

この報告書は執筆依頼をいただくまえにいつかどこかの飛行機のなかで読了済みでした。現在の自分の関心テーマどまんなか!なので非常にありがたい情報源ではあるものの、正直ちょっと結論を急ぎすぎてるきらいがあり、広く紹介するのも微妙かなあと感じていました。ただ、そのへんも含めて批判的に紹介してOKという依頼でしたので、お受けしました。ほんとはCOAR Observatory Third Editionが出たときにきちんとまとめるべきやったんや……。

自分の意見は以下の段落で述べています。

ただし,回答数の少なさと国による偏り(7か国では回答数が1機関のみ。回答数上位5か国で全体の6割を超える)を鑑みると,本調査で多様な欧州の現状を把握できたとは言いがたいのではないだろうか。DRIS(CRISのダイレクトリ)に掲載済みのCRISからの回答や,2013年に同様の調査が行われたポルトガルの現状が十分に反映されていない可能性について言及されている点も気にかかる。また,現在はCRISとIRの併用が大半を占めるものの,CRIS導入数の伸びを考えると今後の趨勢は分からない。設問は用意されていなかったが,どちらかに統合したいと考えている機関はないのだろうかという疑問も湧く。ぜひ今後の継続的・網羅的な調査の実施を期待したい。

最後に第五期科学技術基本計画について触れましたが、ちょうど『情報管理』2016年4月号の「第5期科学技術基本計画における主要指標について」という記事のなかで、

具体的には,筆者は,府省共通研究開発管理システム(e-Rad)と他のデータを結び付けた新たなシステム開発が重要と考えている。


答申案においては,「府省共通研究開発管理システムへの登録の徹底や,当該システムと資金配分機関のデータベースとの連携を進めつつ,総合科学技術・イノベーション会議及び関係府省は,公募型資金に対する評価・分析を行い,その結果を資金配分機関やステークホルダーに提供する」ことがうたわれている。


e-Radは,原則として公募型研究資金制度を対象としており,その運用に当たっては「マクロ分析に必要な情報を内閣府に提供すること」が,公募要領等に明記されている。これにより,府省を超えた政府全体の公募型研究資金制度における資金配分情報について,府省別・配分機関別,被配分機関別・分野別,研究者・男女・年齢別等,さまざまな切り口から分析を行うことができる。


また,論文,特許,商標,製品等に関する指標は,研究開発投資に対するアウトプット・アウトカムといった知的ストックを示す指標である。e-Radにこれら指標をひも付けることにより,政府研究開発投資が生み出した成果を把握することができる。


http://doi.org/10.1241/johokanri.59.32

のように提案されていました。なるほど、e-Radか。今週はKAKENもリニューアルしましたね。funderベースならそれでもいいのだけど……。

# この4月から『情報管理』の読者モニター的な仕事をしています。