Kindle Paperwhite雑感
- 出版社/メーカー: Amazon.co.jp
- 発売日: 2012/11/19
- メディア: エレクトロニクス
- 購入: 86人 クリック: 11,167回
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ずっと気になっていたので日本国内向けの販売が発表された当日に予約しました.3週間くらい使ってみての感想というか,いまの“感覚”を刻んでおきたいと思います.
タブレットは初代iPadを持っているのですが,電子書籍リーダーなるものを買うのはこれが初めてです.選んだのはKindle Paperwhite(Wi-Fi版)で,7,980円と一番安価なモデル.その理由は,
- 飽きるかもしれないしなるべく安いモデルがいい.いざとなればWiMAXは持ってるし.→5,000円高い3Gはパス[*1]
- どうせタブレット買うならiPad Retina(か今ならiPad mini)がいい.→Fireはパス
というものでした.
自分のまわりだと @taniwataru や @yaskohi も買ったみたいで.
率直に言って,満足してます.買って良かったなぁと.何万も出して買うものではないとは思いますが.
ケースはつけずに素のままで通勤用のバッグに放り込んでいます.コートのポケットに入るサイズなのも嬉しい.重量は213gとiPhone 4S(140g)よりも重いはずなんですが,なぜか“軽く”感じます.iPhoneがずっしりしてるからでしょうか.つや消しのマットな手触り.触っていてもこれが電子機器という感覚が薄くて,どちらかというと“文房具”,アナログなツールという感じを受けるのがなんだか面白い.
もうこれで文庫や新書の新刊は基本的にKindleでいいかな,と思えます(ハードカバーについては値段という要因があるので……後述.).もしすごく気に入って紙でも欲しいということになったら,その後で買い足すんでしょう.続きものの漫画はとても悩ましくて,これまで紙で買ってきたのに電子に切り替えるのにちょっとだけ抵抗があったりします.
なお,ユーザには専用メールアドレスが与えられて,そこにPDFを添付して送るとKindleで読めるようになります.メールのサブジェクトを「変換」とするとPDF→Kindle形式に変換してくれるんですが,2段組の論文とか,ちょっとうまくいかない感じ.(僕は基本的に,論文は印刷して書き込みながら読む→読み終わったらスキャンして紙は捨てる,という方法です.)
ちなみに,これまでにKindleストアで買ってみた本はこんなのです.
- 朝井リョウ『桐島、部活やめるってよ』(未読)
- 埜納タオ『夜明けの図書館』
- くむ組む『国立国会図書館本〜サブカルからみる納本制度〜』
- 森博嗣『ジグβは神ですか』
- 津田大介『ウェブで政治を動かす!』
- 貞本義行『新世紀エヴァンゲリオン(13)』
- 伊藤計劃『虐殺器官』
最初に買ったのは『虐殺器官』.ライヴの開始待ちに,暗いところでも読めるのはいいなぁと思いつつ読みました.エヴァは映画見て気分も盛り上がっていたところで,漫画も読みやすいのかなぁと試しに買ってみました.安かったし.ちょっと画面切り換えのもたつきが気になるけど,イライラするほどじゃなかったです.津田さんの本はセールで250円になってたから勢いで……(でもとても面白かったです.「政治家はメディア」という話などの情報発信に関する話題が).
そう,購入の判断が,紙のときよりも値段にずいぶん左右されるなというのを実感しています.そのあたりを「Kindleの電子書籍値引きがヤバい - Hagex-day info」というブログが上手に書き表してるなぁと思いました.
そう、Kindle版の電子書籍は、本によっては値引きをされており、その値引き率は変化している。そのためKindleで本を買う時に「これ、どれぐらい安くなってるの?」という基準ができてしまった。「どうしても読みたい!」という本であれば、すぐに買うが、「ああ、この本いま5割引か。とりあえず買っておこう」ということも増えた。古本では珍しくないこの感覚が新刊にも適用されてきたのだ。
そして「この本は高いけど、ちょっと待ったら安くなるかもしれないので、「今」は買わないでおこう」という考えも当然普通になってくるのであった。(そして永遠に買わないんだよな、これが)
そんなわけで,Twitterではセール情報を流してくれる @amaebooksale をフォローしてますし,Kindleストアもちょくちょく覗いています.
いまの自分の感覚だと“1,000円”あたりに閾値があるらしく,それを超えると多少興味はあってもためらってしまう感じ.まだまだ紙の所有に対する欲求というか,物理的存在によって満たされるものがあるんでしょうか.こういった金銭感覚が自分のなかで今後どう変わっていくかは非常に興味があります.また,200〜300円だと「買ってみようかな」と気軽にクリックできるのは,古本市場価格との比較を行なってしまっているんだろうなぁ.完全に切り離せるとは思ってませんが,まだまだ感覚が紙に引きずられてる気がする.
Kindleストアの品ぞろえには不満が大きいです.少なくとも,あれもこれも買いたくて仕方ない!という感じにはなってない(ジョジョは全部欲しいけどw).個人的には,中公新書と岩波新書の新刊をKindleストアで売ってほしいです.そして,図書館・図書館情報学関係の本がまったくないぞー!(その中で『夜明けの図書館』が売ってたのには感動してその場で買ってしまったよ.)
*1:逆に,次にタブレット買うときは3G(4G)版にしようと思ってます.