RIOXX 2.0正式版がリリース

http://www.rioxx.net/2015/01/22/rioxx-2-0-final-release/

すっかり見逃していたけど、2015年1月22日にRIOXX 2.0の正式版がリリースされていた。2014年6月末にベータ版が公開されていたもの。アプリケーションプロファイル、ガイドラインXMLスキーマが公開されているが、このうち、アプリケーションプロファイルだけ眺めておけばまあOKだという印象。


RIOXXは、(公的)助成研究成果のOA義務化の流れのなかで、実際に研究成果がOAになっているかどうかを機械的にチェックしやすくするためのメタデータ要素を提供するもの、だと理解している。つまり目的はトレーサビリティ。そのために必要となる情報は、例えば、助成機関やプロジェクトのID、著者ID、APCの状況、OAの具合(ライセンスや公開期間)、など。メタデータ要素といっても、論文のタイトルなどの一般的な項目はdcやdctermsで十分事足りるので、RIOXXで独自に定義されているのはほんの一部だけである(RIOXX 1.0で4項目、2.0で8項目)。

策定に携わったのはEDINA、Chygrove(初耳)、RCUK、HEFCEあたりで、Jisc助成も受けている。英国ということでRCUKポリシーを背負っているわけだけど、他の国でも参考になるはなしなので勉強しておきたい。RIOXX自体もEUの状況(つまりOpenAIRE)を意識していて、ガイドラインPDF)には「RIOXX was developed with the OpenAIRE Guidelines and EThOS in mind, the objective being to minimise the deviation from these existing approaches as far as reasonably possible.」とある。



カレント-Rの「RCUKとHEFCEのOA方針に対応したリポジトリ向けメタデータ仕様 RIOXX2.0ベータ版公開」によると、2013年4月にリリースされた1.0は「短期間で作成されたもので不十分であった」らしい。何が不十分だったんだろうと思って両者を比較してみたら、確かに不十分極まりない感じだった。

RIOXX 1.0RIOXX 2.0 の比較表を作ってみた。必須/非必須やリピートの制限はあんまりチェックしてないけど……。

要素 RIOXX 1.0 RIOXX 2.0
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rioxxterms:version ×
rioxxterms:version_of_record ×

気になった相違点としては、

  • dc:rightsがali:free_to_read、ali:license_refに。1.0策定時には存在してなかったAccess and License Indicators (NISO RP-22-2015)を採用している、のは当然だろう。
  • rioxxterms:apcAPCの情報を書くように。と言っても金額を書くのではなくpaidとかnot chargedとかそういうのを。
  • rioxxterms:versionとrioxxterms:version_of_recordできっちり版管理をするように。
  • dcterms:issuedがdcterms:dateAcceptedになり、自由語・非必須に。この変更のニュアンスはよく分からん。
  • dc:typeがrioxxterms:typeに。自由語から統制語になるとともに、必須項目に。
  • rioxxterms:creatorがrioxxterms:authorという名称に。別にいいけどなぜ。
  • rioxxterms:author、rioxxterms:contributorの著者IDの部分はURIで記述。ORCIDやISNI。
  • rioxxterms:funderとrioxxterms:projectidをまとめてrioxxterms:projectに記述。funder idはISNIやDOIで(そうか、FundRefはfunderに対して http://dx.doi.org/10.13039/**** っていうDOIを振ってるんだ。。)

など。