オーストラリア国立図書館のTroveがORCIDレコードを取り込んでいる

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https://www.nla.gov.au/blogs/trove/2016/05/31/orcid-one-year-on
http://www.nla.gov.au/blogs/trove/2015/04/27/spot-the-blue-square

見逃していたのか忘れていただけなのか定かではないですが、オーストラリア国立図書館(National Library of Australia)の“Trove”がORCIDレコードの取り込みを始めていたんですね。取り込み開始から1年後の状況がブログでレポートされています。Troveはデジタルアーカイブというよりは「情報探索システム」ってことで、日本で言えば国立国会図書館サーチあたりがORCIDをということに相当するでしょうか。大変驚きです。Troveはむかしから評価が高かったのですが、最近ノーチェックだった。。

技術的詳細に立ち入ってないので想像が交じる部分もありますが、だいたいこんな感じ……

  • ORCIDレコード内の業績はJournals zoneBooks zoneに取り込まれる
  • Australian Research Council(ARC)やNational Health and Medical Research Council(NHMRC)の助成を受けた研究成果であれば、acknowledgementにグラント番号が含まれる(場合がある、くらいのニュアンス?)
  • Troveではグラント番号で検索することができる。
  • 研究者からTrove内の自身の情報を修正できないことに不満の声があったが、自分のORCIDレコードに情報を追加すればそれがTroveにも流れてくる。
    • “This is what ORCID is about – allowing researchers to take control of their online profile in one place and see the results flow through to linked systems like Trove.”
    • →従来の典拠レコードを活かしつつ、本人がコントロールできる部分も加えたってことで、すばらしい。
  • TroveではLibraries Australia Authority fileという典拠ファイルも取り込んでいるが、ORCIDレコードの90%以上はそれまでTrove内に存在しなかった
  • 著者IDのリンキングもやってるよう
    • ORCID、Libraries Australia Authority number、40 Australian biographical sources
    • ORCIDとLibraries Australiaのリンキングができてる例? http://nla.gov.au/nla.party-622354
  • 研究者の専門分野は自然科学(science)に偏っていて、他分野のレコードは少ないっぽい
  • 大学からORCID iD付きの研究成果レコードが提供された場合、その研究者のORCIDレコードもTroveに取り込む。メルボルン大学が初めての提供例